title="ATOM" href="http://11924192.blog.shinobi.jp/ATOM/"> シュガーBWB 本日は温暖なり(シルゴ) 忍者ブログ
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シルゴだと言い張ってみる

よろしければ、下へどうぞ。












本日は温暖なり



「さみー」

寒さから逃れるように肩を抱く。


今日はとても寒い。


「今日寒くね?」

「・・・そうだな」

「あー、早く帰ってあったけーモンでも飲みてーな」

吐き出す息が白い。
横を見ると、もう鼻が赤くなっていた。


「鼻、赤いぞ」

「マジで?!早く帰ろーぜ。オマエも来んだろ?いや、頼む、来てくれ。
母さんが 『シルバー君に一度会ってみたいわぁー』 ・・・って、うるさいんだよ」

声を高くし、口調を真似て言う。

返事に困り、黙り込む。


「そーいえばさー、手が冷たいヤツは心があったけーって言うじゃん?」

「迷信だろ、そんなの」

「まぁ、聞いてろって。でさー、そうなると、って、うわっ?!」


声が途絶えた。


「・・・これはまた派手に転んだな」

「・・・うるせー」

「何も無い所で転ぶなよ」

「よくあんだろ、そんくらい」

「無いな」

「一言で否定すんなよ・・・」


風が強くなってきた。


「ほら」


手を差し出す。

「さんきゅー」

手を掴み、立ち上がる。

「冷たいな、お前の手」

「オマエの手も冷てーよ。あー、もう、指の感覚ねー」


服についた土を払う。

「寒いからな」

「冬だしな」

下らない会話をし、また歩く。
幸い、ケガはないようだ。


風が二人の間を通り抜ける。


「・・・で、そうなると何なんだ?」

「・・・あー、いや・・・うん。やっぱ何でもねぇわ」

「気になる。教えろ」


動かす足を止める。

「そんなに?」

「そんなに」

あーだの、うーだの唸り、観念したように言う。

「・・・自分でも何でこんな事言おうとしたか分かんねーけど、
あの、そのだな・・・っ、あーもう、仕方ねぇから言ってやるよ!!!
そーなると、オマエは心があったけーんだな、って言おうとしたんだよ、悪ィか?!」

完全に逆切れ。

寒さと恥ずかしさのせいで顔が赤い。


「あー、もう、とっとと行くぞ!!!」

大股で先にどんどん進む。

「また転ぶぞ」

「もう転ばねーよ!!!」


風が弱まった。


「早く来いよ、バカシルバー!!!」

こちらを振り返り大声で言い、そして― 笑う。

日が出てきたらしく、いつのまにか寒さが和らいでいた。


「恥ずかしい奴・・・」



その迷信はお前の方が似合う。
何故か、ひどくそう感じた。





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