空中庭園でワルツを （ジャイロ×ヤンマーク）

『逢ふことの～』から続いただとォ？！


先に『逢ふことの～』を読むコトをオススメします。
ジャイロはどっちかっていうと黄緑だけど、まぁいいや。

よろしければ、下へどうぞ。
続きます。

空中庭園でワルツを




何だったんだよ、アレは・・・。


女と間違われて声をかけられ、さらには何か知らないけどダッシュで逃げられた。


ジャイロマン、っていったっけ・・・。

俺と同じ、緑を基調としたボディに、俺と同じ空を飛ぶためのモノ・・・。

妙にしどろもどろだったけど、・・・まぁ面白いヤツだった。




衝撃の出会い、だなんてそんなものじゃねーけど。


第一、男同士だけど。

しょっぱすぎるけど。

ホント、馬鹿げてるけど。


忘れられない出会い、ってこんなものかとつくづく思った。




空中庭園なんて何をするところか知らないし、そもそも興味も無かった。

無かったんだ、あの日までは。


『空中庭園に来ない？』

本当はもっと何故か必死だったんだけど。


その一言で興味が湧いた。


それに俺、傷つけちゃったかも知れないし。

逃げ出す理由ってそれしかない、と思うんだ。


だから、謝りに行くついでに、・・・ちょっと見てみたくなった。






『うわー、何ここ、すげーがらがらなんだけど・・・。本当にやってんのかよ・・・。』

ある意味、貸切り状態。

別に嬉しくもないけど。


『・・・もしかして、休み、だったりする、のか・・・？』

急に不安になる。

『ジャイロマンはいる、のか・・・？確かここで働いてるって言ってたけど・・・。』

心細いし、ここは広い。

うっかりしていると迷ってしまいそうだ。


辺りを見回す。

せめて、誰か客でもいいから誰か、できるなら・・・。





いた。

探してみれば、すぐ近くに。

ボーっと空を見て、何かを考えてるように見えた。



恋をしているヤツを見たことはあるか？

ちょうどそんな風に。


思い煩っているように見えたんだ。



・・・俺に手間掛けさせたバツだ。このくらいしてもいいだろう。

悪戯心が膨れ上がる。


気付かないようにそっと近付く。


・・・まだ気付かないなんて、よっぽど気になることなんだな・・・。

っていうか、気付けよ。



『ジャイロマン。』

『うわっ！！！？』


ドッキリ成功、大成功、してやったり。


驚いて弾かれたように跳ね上がる。

その拍子にバランスを崩し、プロペラの動きが止まる。


『 『　あ。　』 』


落下。

さすがに慌てて、助けようと手を伸ばす。

手が触れた。

『早く体勢立て直せよ！！！俺じゃ持ち上げらんねぇ！！！』


手を掴んだ。

熱が一気に上がった気がした。




『・・・アンタさぁ、人を呼んだんなら、もっと分かりやすい所にいろよ。
俺、結構、探したんだから。』

『・・・ゴメン。』

『まぁ、いいけど。・・・それより、どこへ行く？』


『・・・ ・・・へ？』

なんて間抜けなカオ。


『アンタが呼んだんだから、案内してよ。』


言葉を一旦、区切る。


『・・・それに、俺に来て欲しかったんだろ？』

『・・・ ・・・あぁ。』



了解か、それとも、肯定か。


微妙なトコロだ。