アメより甘い （光壊）

光壊と言い張ってみる。

よろしければ、下へどうぞ。









『フラッシュー、フラッシュー!!!』

ドア越しにクラッシュがいた。




『何か用かよ。　あと、一回言えば分かるつーの。』

あえて、そっけなく言い放つ。

『はい、はい。　でさー、アメ、いる？』

あまりに唐突すぎた。

言葉が出ない。

『アメいるかって聞いてんだよ。
ヒートから貰ったんだけど、多くて食べきれないから配ってんの。』

なかなか答えない俺に痺れを切らしたのか、口調が乱暴になってる。

自分もアメを舐めているのだろう、口をモゴモゴさせながら。



理由は分かった。



『・・・しかたねぇなぁ、手伝ってやるよ。』

本来は甘い物は好まないのだが、コイツの頼みなら別だ。

・・・本人の前じゃ絶対に言えねぇがな・・・

『何味がいい？』

『何味があるんだ？』

『んーと、イチゴとブドウと、オレンジと・・・』





お前のは何味なんだ？




なんて、聞ける訳ない。
そんな勇気があったらとっくに聞いてるし、そもそも妥協したフリをする必要はない。




『で、何味？』


『・・・オレンジ。』




せめて、お前に近いものを。



『オレンジ、オレンジっと。・・・あれ、もう無いぞ。人気だな、オレンジ。』

『そうか。じゃあ・・・』







俺はお前には近づけないのか。



このまま、ずっと。




『・・・フラッシュ、ちょっとこっち向け。』

そう言われて、反射的に声のした方を向く。



すぐそこに、お前の顔が迫っていた。







チュッ、というよりは、

チュッーーー、に近かった。






『！？！？！？！！！』


口の中に何かの塊が入ってくる。

甘ったるい、オレンジ味の、何か。



これは、アメだ。　それしかない。




口が離れた。

驚きで声もでない。

固まって、動けないでいる俺にお前は言う。

『俺、もうけっこうアメ、舐めたから、ソレやるよ。』



バタン、とドアの閉まる音がした。

『アイツ、解っててやってんのか・・？』

思わず口を押さえてしまう。



アメよりも甘い、お前の味。




どうやら今日はもう、眠れそうにない。







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後書き


なんだ、このヘタレ。


～選んだアメの味と順番～　を妄想してみた。

脳内ではメタル→バブル・クイック・フラッシュ→クラッシュっていう図式になっているんだ。


エアー：量が多い奴。　　少しでも減らそうとしてくれたんだよ。
↓
バブル：オレンジ。　　　　クラッシュと一緒が良かったんだよ。
↓
メタル：オレンジ。　　　　　バブルと一緒が良かったんだよ。
↓
クイック：オレンジ。　　　　クラッシュと（ｒｙ


クラッシュは少し舐めたら、噛み砕きそうだなと思いつつ書いてみた。

オレンジ味が多いのは、ヒーちゃんの策略だと思われ。