title="ATOM" href="http://11924192.blog.shinobi.jp/ATOM/"> シュガーBWB 言ってみないと(光壊) 忍者ブログ
腐女子丸出しのブログ。ほぼマイナーCP推奨です。
[79] [78] [77] [76] [74] [73] [72] [71] [70] [69] [68]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



蒼紅林檎の林檎飴 様よりいただきました!

222キリバンリクエスト小説です。



よろしければ、下へどうぞ。

 














さて、どうしようかな










―言ってみないと―










クラッシュは先ほどからある『モノ』をじっと見つめている


見た目はただの缶ジュースのように見える
味?さあ?きっと人間は飲めない
ロボットがそれを飲めばエネルギーを補給することが可能だ
戦闘用である彼らは、エネルギーの消費が激しいため補給を疎かにしてはならない

はずなのだが・・・




「・・・開けれない」




先ほどの『モノ』――『E缶』をクラッシュは開けることができない


理由は簡単
彼の手は人間のような5本指の手ではない

ドリルなのだ
しかも、両手


確かにドリルだと戦闘時の攻撃力は高くなり、敵を早く倒しやすい
「破壊」を目的に作られた彼に5本の指など必要ない、という意図なのかもしれない

ただ、今日は戦闘も何もない平凡な日だ
なのに、これではあまりにも不便である

ハンドアームはあるが、大抵メンテナンスの時ドリルパーツの代わりになるだけだ
それに、E缶を開けようとするたびにわざわざパーツを付け替えるなんて、面倒だし時間がかかる
博士だってそう暇ではない


だから彼はドリルのままで生活しているのだ


ドリルで開けれないことはないかもしれない
しかし、不器用な彼にとってそれは至難の業だ

力加減ができずに潰してしまう
バランスをとることができずに缶を倒してしまう
ドリルで穴を開けようとして中身が飛び出す

そんなオチが見えている




「・・・・・・誰かに開けてもらうしかないか」




以上の事を踏まえ、考え出した結果がこれだ
それ以外の方法はほとんどないだろう

そうと決まれば、次の疑問は誰に開けてもらうか、だ




クラッシュは消去法で考える

エアーは任務

クイックも任務

バブルは水中

ヒートとウッドは何処かへ遊びに行った

メタルは博士の手伝いで忙しい









―――――あ


―――――なんだ、適役がいるじゃないか









思い立ったら即行動

クラッシュはある部屋へと足を進めた











ついさっきまで静かだった廊下から、バタバタとうるさい足音が聞こえる

誰の足音なのかはすぐ判断できた


だって今基地にいるのは―――




「フラッシュー!」




バンッ!という音がした後、1つ上の兄の姿が目に入った
扉からミシ・・・という音がしたのは気のせいではないだろう
扉を静かに開けろ。修理代かかるだろうが



「・・・何か用か」

「ん」



と言いながらE缶を目の前に出してきた
いや、言いたい事はわかるが内容をちゃんと説明しろよ
『E缶を開けてほしい』と言うぐらい出来るだろ
それともそれが出来ない程あなたの頭はトリ頭なんですか


E缶を持ち上げ、飲み口を開けてやる
だがこのままでは零してしまうだろう
だからストローをさしてやる
ここまでしてやったんだ
感謝しろよ




「ありがとな!フラッシュ」




満面の笑みで言われた

今の笑みにちょっとトキめいたとか、可愛いなんて別に思ってない
勘違いすんなよ

兄は嬉しそうにE缶を飲む
よくそんな美味そうに飲めるものだ
そんな嬉しそうな兄を見てると口元が緩みそうになる、が、耐える


しばらくボーっとしていたせいか、兄はもうE缶を飲み終えていたようだ
近くにあるゴミ箱に、カラッポになったE缶を捨てる

満足そうな兄の頭を撫でてやったら、また笑った
こういう子供のような態度をとるこいつは本当に『兄』なのだろうかと不安に思うこともあったが、今はもうどうでも良くなった
兄は『兄』だ
それはずっと変わらない


くだらない事を考えていると、兄は突然とんでもないことを言ってきた







「俺、お前のこと大好きだぞ!」










え、あ、はいそうですか
ええと、それは兄弟愛的な意味ですよね?



「優しいところとか、実は皆の事色々考えてくれることとか」



ほら、やっぱりそういう意味だ

いや別に期待しちゃったとかそんな事は無い
突然の事に驚いただけだ




「もちろん他の皆も大好きだけど、お前だけは特別だから!」










―沈黙―










あれ?俺今タイムストッパー使ったけ?
いや、使ってない

使ったとしても兄弟たちの中でこの武器が効くのは頭にV字がついてる奴だけだ

あれ?じゃあ何故俺もこいつも動かないんだ?









「あ・・・・・・フラッシュは・・・俺のこと嫌いか?」




そう言った後、俺はうつむく


せっかく会いに行くなら勇気を振り絞って言おうと思っていた

断られる覚悟だってしてた

けれど、こうも長い沈黙が続くと、流石に辛かった



「俺、もう行くわ」



今すぐこの場から逃げ出したくなって、1つ下の弟へ背を向けた



「おい」



背中からの声に、足を止める



「返事も聞かずにどっか行く気か?」



うるさい
答えはわかってる
フラッシュは優しいから、あれだけ沈黙が続くのは、俺を傷つけずに断る理由を、探してたに違いない



「そっちから言っといてそれはどうかと思うぜ?」



うるさい
聞きたくない



右腕をつかまれる

何するんだと言おうとして振り向いた、ら




抱きしめられた





あまりにも突然だったため、硬直してしまった


え、今どういう状況・・・・・・



俺が混乱しているのなんてお構いなしで、フラッシュは抱きしめてる力を弱めようとしない




そして、一言








「        」








抱擁から開放される



俺は全速力でその場から逃げ出した

でも、それは辛くて逃げ出した訳ではない


くそ、不意打ちだ
あいつはずるい


ああ、きっと俺の顔は真っ赤に染まっているだろう

俺だけじゃなくて、あいつも










でも、やっぱり―――――















言ってみないと、わからないね













//////////////////////////////////////////////////


ニヤニヤが止まらないっ・・・

ツンデレ隊長がかっこいい。

クラッシュが可愛い。この天然っ子め。



フラッシュは常にドキドキしてるといいよ!




素敵小説、ありがとうございました!!!












PR



コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
zinbi
性別:
非公開
自己紹介:
最近はロックマンに絶賛ハマり中。
壊と泡と木と王と蛙が好きだ。

ちなみに、山梨県民。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
バーコード
忍者ブログ [PR]