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続き物です。

下ネタを含みます。
クイックのイメージを損なう危険があります。

よろしければ下へどうぞ。











動けなかった。



無表情に敵を倒していくお前を見て、









ただ『綺麗』とだけ思った。













時は数時間前にさかのぼる。


『あれ、メタル、クラッシュは?』

いつも騒いでいる奴の姿が見当たらない。

『あぁ、クラッシュなら任務だ。何だ、知らなかったのか?』

呆れ顔で聞いてくるメタル。

『そんなの気にしてる暇ねーもん、俺。』

『・・・全く、お前って奴は・・・』

ため息をつかれた。

それにしても暇だ。
何か面白いことねーかな?


― !!! そうだ、クラッシュのトコ行って任務、手伝ってやろーっと。 ―

そう思い、メタルに尋ねる。

『なぁ、任務の場所ってドコだ?』

『? それなら、ホラ、あの古い研究所だ。 ・・・もしかして、クラッシュの所へ行くのか?』


『おう。悪いか?コッチは暇なんだよ。』

『・・・やめとけ、クイック。
お前なら邪魔にはならないと思うが、クラッシュがどう思うか・・・』

『いーの、いーの。それに、手こずってるかも知れねぇじゃん?』

そう言うや否や、外へ飛び出す。

『!!! あっ、コラ、待て、クイック!!!』



反応が遅いんだっつーの。






メタルに教えてもらった場所を探す。

『たしか、ここらへんだった気が・・・』






そのトキだった。
お前の姿が目に入ったのは。


慌てて、近くの隠れられそうな場所へ逃げ込む。
お前に見つからないように祈りつつ。







無表情にただ敵を倒していくお前。
その姿を見た瞬間、俺は動けなくなった。

まるで時が止まったかのように俺は動けずにいた。





― 綺麗、だ ―



俺の思考を支配するのはただその二文字の言葉。
お前のその無表情な顔の中に、深い悲しみが見えた気がして、
俺はお前から目が離せなかった。



― 何で、何で、心臓がこんなに速いんだ・・・? ―




鼓動が速い。

顔が火照る。

息が苦しい。








もうどのくらい経っただろう。

お前の周りには瓦礫の山が出来ていた。

その城に君臨するお前の姿はとても扇情的で、
どこか悲しげで、眩暈を起こさせるほどに美しかった。


― って、何考えてんだ、俺。相手はあのクラッシュだぞ!? ―


普段とは全く別のお前の姿。

いつも嬉しそうに笑っているお前を俺は可愛らしいとは、
思ってたが、それはあくまで弟としてだ。


俺の初めての弟。

俺の可愛い弟。


― 何か、俺、変だ・・・ ―

さっきから色々と可笑しいだろ、俺!?

しかも、何も出来ずにこんなに時間使ってるし!?






クラッシュが瓦礫の山から飛び降りたらしい音がした。
どうやら基地に戻るらしい。

今なら、声をかけても怪しまれないだろう。

ちょうど、今来たばかりの様に声をかけて、それで一緒に帰ろうじゃないか。

そうと決まれば。

『クラッ、シュ』

語尾が小さくなる。








ひどく情欲を掻きたてさせられる光景。

自らのドリルに舌を這わせ、何かを丁寧に舐めとっては嚥下する。
その行為の意味は分からないが、思わず見惚れてしまう。

見てはいけないと分かっているのに。

甘美な誘惑に勝てなかった。

それどころか、劣情を刺激され、あってはならない事態が起こってしまっていた。





勃起していた。







自らの武器に舌を這わせる弟の姿に。


『なっ・・・』

反射的に股間を押さえる。

信じられない。

俺が、この俺が!?


たったこれだけのことで、しかもあのクラッシュに。

一応、俺も男だから性欲なども多少はあるのだろう。
だからって、この状況はヤバイだろ。
普通に考えて。メタルじゃあるまいし。

どうなってんだよ、俺!!!???

落ち着け、落ち着くんだ、俺。
股間を膨らませたままでは帰れない。

冷静になれ。 息を整えろ。

とりあえず、おさまってくれ!!!



そうこうしてる間にクラッシュは帰ったらしい。

空はもう暗い。

急いで帰らなくては。

もう、下はかなりおさまった。

あとは何事も無かったかのように帰るだけだ。






『ただいまー・・・』

なんだかものすごく疲れた。

『遅かったじゃないか、クイック。
クラッシュはもうとっくに帰ってきたぞ。一緒じゃなかったのか?』

クラッシュの名が出た途端、心臓が揺れる。

『・・・道に迷って、着けなかった・・・』

我ながら苦しい言い訳だと思うが、そんな事を気にはしていられなかった。

『あ、クイック。おかえりー。』

その声を聞いた瞬間、胸が高鳴る。

『・・・ただいま。』

まともにクラッシュの顔が見られない。
俺の顔は、きっと赤くなっている事だろう。

あー、もう、メタル邪魔だ。どっかいってくれ。




本当に今日の俺はどうかしている。






どうしちまったんだよ、俺!?














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