腐女子丸出しのブログ。ほぼマイナーCP推奨です。
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速壊で恋のはじまり。
多少、破壊表現・際どい表現があります。
なお、クラッシュはあまり兄弟と共同戦闘をしたがらない設定に
基づいて書いています。
よろしければ、下へどうぞ。
壊せ、壊セ、コワセ。
跡形も無く壊せ。
壊せ、壊セ、コワセ。
慈悲など欠片も見せずに壊せ。
相手が苦しむ前に。
壊せ。
ハ ジ マ リ
徹底的に壊した瓦礫の山の頂上にクラッシュは腰掛けていた。
辺りには人もロボットを見当たらず、
時折、辺りの瓦礫がピキリ、と音を立てて崩れるだけだ。
『やっと、終わったぁ・・・。時間、掛かりすぎちまった・・・』
そう呟く声は驚くほど幼げで、
嫌でも無邪気なイメージを持たせられてしまう。
クラッシュは自分が任務をこなしている姿を、
他の兄弟機に見せるのが嫌いだ。
― 嫌われたくない ―
こんな姿を見られたら、見せたら、嫌われてしまいそうで怖い。
特に嫌われても、好かれてもいないであろう今の状態から変わりたくない。
博士には巻き込んでしまうから と、理由をつけ、
あまり共同戦闘を自分とは組まないようにしてもらっている。
― 博士に迷惑かけっぱなしだな、俺・・・ ―
瓦礫の上で想いをめぐらす時間をクラッシュは大切にしていた。
時刻はもう夕方になっており、
瓦礫の城に君臨するクラッシュを赤く染め上げている。
『そろそろ、戻るか・・・』
兄弟たちが待つ基地へ。
俺の帰る場所へ。
瓦礫の山から飛び降りる。
ここまで壊せば十分だろう。
ふと気が付くと、左のドリルに敵を壊したときに付いたであろう、赤黒い油が滴っていた。
ロボットたちの命の色。
『 不味い・・・』
思わず嘗めていた。
ドリルの先端から根元にかけて滴る雫を、舌を器用に使い飲み干す。
― 俺もいつかこんな風になるのか・・・ ―
先ほど壊したロボットたち。
そして積み上げられた瓦礫の山。
― まぁ、それでもいいかもしれない。 ―
『やっぱり、不味ぃ・・・』
口内に広がる不愉快な味に顔をしかめる。
― 何やってんだろうな、俺・・・ ―
『わぁ、もうこんな時間かよ、急がなきゃメタルに怒られる!!!』
空はもう、暗くなっていた。
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