腐女子丸出しのブログ。ほぼマイナーCP推奨です。
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続きものです。
これで完結です。
よろしければ、下へどうぞ。
いつもと全く変わらないつまらない景色。
でも、今日はなんだか輝いてみえた。
無邪気にはしゃぐクラッシュを見ながらの水中散歩。
これじゃあ、誰かさんと同じ役割だな・・・
そう思い、自分より一つ上の青い兄を思い浮かべる。
こんなに兄って大変なんだなぁ、と、素直に感心する。
まぁ、行動が伴うかどうかは別として。
「あんまりはしゃいでケガしないでよ?」
「分かってる、分かってる。」
本当に分かってたらいいのになぁ・・・
「なぁ、バブル。 アレ、何?」
クラッシュの視線の先にはサンゴの死骸。
白い、白い、汚れのない色。
「あぁ、アレはね、サンゴっていう動物の死骸だよ。」
「死んでるの?」
きょとんとしているクラッシュ。
「うん。」
「あんなにキレイなのに?」
「うん。」
「ふーん・・・」
サンゴをじっと見つめるクラッシュ。
キミにはその色がよく似合う。
「なぁ、バブル。」
また声をかけられた。
「また何か? クラッシュ。」
「なんで、あのサンゴは死んじゃたんだ?」
なんだ、そんなことか。
「それはな、海が汚れたりとか暖かくなってるからで・・・」
クラッシュにも分かるように説明してやる。
「ふーん・・・」
またサンゴを見つめる作業に戻るクラッシュ。
そんなクラッシュを見ている僕。
空から光が降り注いでいて、とても、とても綺麗だった。
「クラッシュ、そろそろ戻るよ。」
もう、結構な時間がたっただろう。
そろそろ戻らないと、クラッシュが危ないかもしれない。
「・・・うん、分かった。」
なごり惜しそうにサンゴを見ているクラッシュ。
サンゴの何がそんなにも、クラッシュを惹きつけるのだろう。
ラボに戻る途中、クラッシュが言った。
「あのサンゴ、かわいそうだな。」
かわいそう。
ただのサンゴの死骸にそんな感想をもてるなんて。
ただ、純粋にそんな風に思えるなんて。
僕たちには涙は無い。
だけど、キミなら涙を流すことができるかも知れない。
「・・・帰ったら、よく体、拭いてね。サビるから。」
「・・・おう。」
キミは僕の為に涙を流してくれるのだろうか。
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