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続きものです。
思ったより蜂がウザくなりました。
今日も僕はアノ仔のもとへ。
と、いっても遠くから見つめるだけなんだけど。
『あぁ、今日も綺麗で可愛いなぁ・・・』
え?綺麗で可愛いって矛盾してる?
いやいや、そんなことないんだよ、それが。
前方にいるのはまさに綺麗で可愛い仔。
初めて会ったと気の衝撃が忘れられません。
これは俗にいう一目惚れってやつ? うん、きっとそうだよね。
でも、最初に会ったとき、
『近寄らないで』
って言われちゃったんだ。
それで、少しショックを受けたんだけど、何ていうか、諦め切れなくって
現在進行形で遠くから見守ってます。
え?ストーカー? どこどこ?
そんな変態、最低だよね!
・・・僕、顔が怖いらしくてよく誤解されるんだ。
もう、慣れちゃったけどね。
アレ?なぜかアノ仔が近くに寄ってきている気がします。
そんな都合の良い展開って無いよね。
気のせい、気のせい。
ありました。現実でした。
アノ仔の顔がこんなに近くに!
し、心臓がドキドキします!息が苦しいです!
いい匂いが、こっちに、こっちに漂ってきます!
あ~!!!もう、本当っに、綺麗で可愛いなぁ・・・
思い立ったが吉日。
即、行動に移す。
大股の早足でアイツに近付く。
・・・こればっかりは、仕方ない。
近付かなければ、伝わらないもの。
あと少し、もう少し。
逃げないでね、追いかけるの面倒だから。
『ねぇ!!!』
返事がない。
『ちょっと、聞いてるの!?』
・・・返事くらいしてよ。不安になるじゃない。
『!!!? ・・・あ、ゴメン・・・』
・・・気付いてなかったの?
軽い眩暈を覚えるよ。
そんな私の雰囲気を察しってか、しどろもどろに言う。
『あ、それで・・・何か、用・・・?』
『何か用、じゃないよ!!!いつもしつこく付き纏ってさ!!!
こっちが聞きたいよ!!!迷惑なんだけど!!!
それとも何、何かこっちに用があるの!?
大体、私はさ!!!』
『プラントマン。』
・・・は!?い、いきなり名前呼ばないでよ!!!びっくりするなぁ!!!
折角の勢いをそがれ、言いよどんでしまう。
コイツときたら、何の前触れもなく急に話し出すんだから。
真剣味を帯びた眼に見つめられて、鼓動が速くなる。
な、なんでだろ、顔が赤く・・・
『プラントマン。・・・迷惑だった、よね。
ごめんね。嫌な思いさせて。』
そうだよ、迷惑だよ。・・・分かってんじゃん。
でも、今さら謝ったって、もう遅いんだからね。
『・・・ぼ、僕、キミのコトが、・・・す、好き、だから、つい・・・』
言葉の最後の方はみっともなく声が掠れていた。
あぁぁぁぁあああ!!!???
つ、ついパニックになって言っちゃったけど、ど、ど、どうしよう!?
しかも、名前ー!!!???
いたたまれなくなって、プラントの顔を覗きこむ。
真っ赤だった。
リンゴみたいだった。
可愛かった。
顔を真っ赤に紅潮させて、口をパクパクさせていて。
とても無防備で。

