子どもと大人のボーダーライン （手品道化）

個人的に大好きです、コイツら。

珍しく両思い。

どうやら、紳士は子どもに手を出さない、らしいようです。
さて、『紳士』である私はこの状況にどう対処するべきでしょうか。







子どもと大人のボーダーライン




目の前には無防備に眠っている道化が一人。

さて、どうしたものか。

やわらかそうな頬に、大きなぱっちりとした眼。
残念ながら、今は閉じられていますが。


子ども特有の甘い匂いに思わず笑みが零れる。



『クラウン、そんな所で寝ていると、危ないですよ。』

深い寝息しか返事は帰って来ず、
どうやら、貴方はまだまだ起きそうにないようです。



『・・・どうしましょうねぇ。』

とりあえず、身体に何らかの支障をきたすといけないので移動させましょうか。

小さく、細い身体を抱きかかえると、貴方の香りが致しました。
とても、良い香りです。


貴方を移動させるのに最も適している方法はコレしか無いでしょう。

そう、俗に言う、お姫様だっこというものです。



別に他意はありません。


・・・ありませんったら。


『んぅ・・・』

突然、貴方の声が聞こえてきたので、
起こしてしまったか、と慌てて顔を覗きこみます。



『・・・このクラウン様が、お前の分のケーキも食べてやってもいいぞぉ・・・』

最高の笑み。

夢の中で貴方はケーキを食べているようです。
一体、誰との会話やら。
まぁ、答えは一人しか居ないのですがね。


あまりにも可愛らしい寝顔でしたので、私もつられて顔がほころびます。



『・・・マジック。』

今度は名前を呼ばれました。

『・・・大好きだぞ。』

貴方の顔には先ほどとは比べ物にならないほどの極上の笑み。


これは、愛の告白、と受け止めてしまっても良いのでしょうか。



『私もですよ、クラウン。』

今の貴方にはその言葉は届かない筈なのに、
貴方の表情はとても穏やかで、安心しきったものに変わりました。



『こんなに愛されて、幸せ者ですね、私は。』


えぇ、本当に。






紳士は子どもには手を出さない、そうです。

つまり、子どもでなければ手を出しても良い、という事でしょう。
それもどうかと思いますが。

例え、どんなに身体が細く小さいとしても、
いかに性格が子どもらしいとしても、
本人が大人と言えば、それは大人ということになるのでしょうか。



私たち、ロボットの場合は。




・・・とりあえず、貴方が目覚めたらケーキを食べに行く事に致しましょう。











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じゃあ、エレキとファイヤーは紳士じゃなくて変態なんだね！

っていうツッコミは無しでお願いします。


ここでは珍しく貴重な両思い。

いつも大体、一方通行になります。

クラウンの性格が多少、クラッシュと似ている気がします。