title="ATOM" href="http://11924192.blog.shinobi.jp/ATOM/"> シュガーBWB つんけんな態度でも、冷眼で見られても 3(電時) 忍者ブログ
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続き物です。

これで完結です。









『信じて貰えないのなら、もう一度言います。』





ボクはタイムスローをかけた覚えはないのに。


特徴的な仮面の下、形の良い唇がはっきりと動く。



『私はあなたを、』




やめろ、言うな。言わないでくれ。


時がさらに遅くなる。




『愛しています。』






時が完全に停止した。





『っ、嘘だ、嘘だ、嘘だ!!!
お前がボクなんかを好きなハズが無い!!!
だって、お前とボクは。』


釣り合わない。


優秀と名高いお前と未完成のボクでは、到底。


『そんなにボクが好きなら、証拠を見せてみろ!!!
それが出来ないのなら、お前の言っていることは偽善だ!!!
ただの自己満足だ!!!
それでも同情しているつもりなのか!?
一体、どこまでボクを馬鹿にすれば気が済むんだ!!!』


声を荒げ、ウルトラマリンの眼をしっかりと見据え、虚勢を張る。




目の前の黄色が動いた。


先程とは比べものにならない激しいキス。

固く閉ざしたボクの唇を熱く、軟体動物のような舌がこじ開ける。
中に進入した舌がボクの口腔を弄る。

顎から唾液が伝い、筋をつける。


『っ、ふ、ん』


口が離れた。


唇がまだ温かい。身体中が火照っている。


『・・・私だって好きでもない相手にこんなこと、しませんよ。
それにほら、』

ボクの手を優しく大切そうに取り、自分の胸へと押し当てる。


鼓動が速かった。ボクのと同じくらいに、速くて。


お前は何故か泣き出しそうな顔をしていた。

『・・・それでもまだ、信じて貰えませんか?』


いつになく不安そうなお前の顔を見ていると、
今までの事が全てどうでもよくなってきた。



『・・・とんだ間抜け面だな。秀才さの欠片も見られないぞ。
いいか、よく聞け。一度しか言わないからな。
ボクは時間を無駄にするのが嫌いなんだ。』

一呼吸おいて、心を落ち着かせ、そして。

『・・・お前がボクの事を好きなのは認めてやる。
これだけされれば、嫌でも分かる。ボクも馬鹿では無いんでな。』


息を呑む音。


急に何だか恥ずかしくなり、早口でまくしたてる。

『ま、まぁ、お前が誰でも構わずキスをするような変態である可能性は、
捨てきれないがな。でも、そんな奴がボクの兄弟機であるというのは、
さすがにアレだ。よって、その可能性は無視する。
勘違いするなよ。あくまでお前がボクの事を好きなだけであって、
ボクはお前の事を何とも思っていない。』


『・・・それだけで十分、ですよ。』

お前が優しく微笑む。

その笑顔で自分の気持ちを勘違いしてしまいそうだ。





『・・・キスは嫌いだ。息が苦しいからな。』


ツンが9割、デレが1割。これ、黄金比率。


『そうですか、では、もうしません。約束します。多分・・・』


『人の話は最後まで聞け。あと多分とは何だ、多分とは。』


だったら、最後にデレてみせてもいいじゃないか。


『・・・だけど、お前とのキスは嫌いじゃない。』




盛大な咳払いの後に、キスの雨が降り注いだ。

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