三歩進んで、二歩下がる。要は一歩前進 ３

続き物です。

これで完結です。









今までの内容を整理しよう。

１、私は自分の意見をしっかりと伝えた。
うん、これは問題ない。

２、相手はそれを正しく受け取った。
うん、これも問題ない。

３、好きだと言われた。


問題ありすぎ。



『す、好きって、恋愛感情での、・・・こと？』

やっとの思いで声を出す。

コクコクとものすごい勢いで頷いてくる。

どうやら、本気、らしい。

『・・・つまり、アナタは私のことが好きで、それで私の後を付けたりとかしてた、
っていう意味で、いい、の・・・？』

これもまたＹＥＳ。

これで万事解決、じゃない。

『あのさ、悪いんだけどさ、私、好きな人っていうかロボットいるから。』

残念ながら私は。

『し、知ってるよぅ！！！だけど、だけど・・・』

知ってるのかよ。

そう繰り返す彼の頬に保護液の雫がたれた。








・・・なにも、泣かなくたって。

みかけによらず、弱いっていうか、繊細っていうか。

それほどまでに、愛されているの、私？

・・・これじゃあ、私が悪いみたいじゃないか。

私は素直に今の状況を言っただけ。

でも。

やっぱり少しの罪悪感はある訳で。



『～～～！！！っ、それじゃあ、こうしようよ。
恋人になることは出来ないけれど、友だちになら、なってあげても、いいよ。
これなら文句はない、でしょ？』

最大限の譲歩。

あとは、アナタ次第だから。アナタが決めてよ。





『と、友だち・・・？いいの？僕なんかで。
君への恋心、捨てきれる自信、僕にはないよ。
・・・それでも、いいの？』

『だから！！！そ、それも全部解かりきった上で言ってるんだよ！！！
いちいち、言わせないでよ！！！』


余計にこっちが恥ずかしいじゃないか。


『プラントは優しいね。僕、頑張るから。
いつかはプラントもきっと、振り向いて・・・』

何馬鹿なコト、言ってやがる。

『それは無いから安心して。あと、立ち直り異常に速いね。』

『うん。だって、大好きな子とお話できたし、
友だちになることも出来たんだもの！！！』




満面の笑顔。

特上の笑顔。

その笑顔はとても素敵で。




まだ顔が熱いのは、回路が変だからだ。

きっとそうだ。　そうに決まってる。




そうじゃないと、今にも堕ちてしまいそうだから。