title="ATOM" href="http://11924192.blog.shinobi.jp/ATOM/"> シュガーBWB その口元には笑みさえ浮かんで(海賊泡) 忍者ブログ
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拙宅の泡の性格は、何に分類されるのだろう。

よろしければ、下へどうぞ。









『痛いのは嫌いなんだけどなぁ・・・』

どうでもよさそうな口調でそれだけを言い、視線を上に移す。


『これ、ほどいてくれない?痛いんだけど』

そしてまた、どうでもよさそうな口調で言った。




その口元には笑みさえ浮かんで



『こうでもしないと、逃げるだろ?』

『・・・さぁ?そうするかも知れないし、しないかもね』


甚くつまらなさそうな顔で俺の顔を見る。


『はっきりしないと、分かんねぇだろ?』

『そこは自分で考えてよ』



はぐらかされる。
いつも、いつも。



『で、これをほどいてくれる気にはなった?』

顎をしゃくり上を示す。

『なる訳ねえな。そんな事、お前が自分で、よく分かってんだろ』


自嘲に似た笑みが浮かぶ。

腕を顔の横に伸ばす。

小さな身体を覆うように前に立ち塞がる。


『・・・俺が今、お前を襲おうとしても、そういう風に言ってられるのかよ』


顔に手を添える。


『面倒くさいから、やるんだったらやるで早くしてくれない?
僕、そんなにヒマじゃないんだよね』


『・・・いつもそうだな、アンタは・・・』


何か―狡い。


『あんまり深入りはしたくないからね』

『抵抗、しないのか?』

『したければするし、第一―君に僕は襲えない』


そうこなくっちゃ、落とし甲斐が無い。


『言ってくれるじゃねーか。見くびるんじゃねえ。
俺だってやる時はやる。ただ手段が少し卑怯なだけで。
テクニックだってそれはそれは、申し分の無い見事なモンなんだぜ?』

『それは愉しませてみてから言ってよ。
・・・まだ―何も分かんないし、教えてもらっても無いんだよ?』


呆れたように笑う。

何が可笑しいのか、クスクスと。


『覚悟―しとけよ』


マスクを外し、口元を露わにする。
視線を逸らさずにじっと俺を見つめてくる。


一秒、二秒、三秒。

顔を次第に近付ける。




その口元には笑みさえ浮かんでいて―。




『っ、て?!』

縄が解けた。

次の瞬間、腹部に衝撃。
思わず仰け反り、その方向を見る。


『言ったでしょ?君に僕は襲えない、って』


マスクを付け、またいつもの通りに戻った緑がそこに居た。


そして面倒くさそうな口調で言ってのける。

『今度からは、もっときつく縛っておくといいよ』

じゃあね、と簡単な挨拶をされ、そこから立ち去られる。


これほどマヌケな事はあるだろうか。


『逃がした魚は大きい、か・・・』

そう呟いてみても辺りには泡の音がするだけで、もう、返事はなかった。










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最近はロックマンに絶賛ハマり中。
壊と泡と木と王と蛙が好きだ。

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